キミが星になった夜に、これを書いています。
本当は、キミが元気なうちに、皆さんにキミの可愛い姿を見てもらおうと思っていました。
まさかこんなに早く、キミがいなくなってしまうなんて思ってもみませんでした。
遅くなっちゃってごめんね、ちょこ…
ちょこ…
パパが今のようにパソコンに向かってると、最初は頭の上に乗っかってきて、パパの様子をいつも見てたね。
そのうち飽きて、キーボードの上に乗っかってきたり、机の上にあるものをいたずらしたり…
邪魔なヤツだなぁ…って思っていました。
ちょこ…
パパがギターを弾いていると、決まって弾いている手の上に乗ってきて邪魔をしたね。
時々はギターのヘッドの上に乗ってきたりして…
「ウッドストック」のシンボルマークみたいだったね。
一度なんか、パパの宝物のギターに爆弾を落として…
ちょこ…
でも、パパがギターを弾きながら歌っていると、一緒に歌ってくれたね。
キミは「青い眼のジュディ」が好きだったよね。
歌詞に小鳥が出てくるからかな?って思ったりしました。
ちょこ…
キミはパパが仕事から帰り、玄関の扉を開けただけで、ぴゃーぴゃー大騒ぎをしてたね。
そして、キミがいるダイニングに入り、真っ先にキミを見て呼び掛けると、嬉しそうに一層うるさいくらいに鳴き叫んで…
ちょこ…
キミがうちに来た時は、まだ生後2週間くらいだったね。
まだ自分じゃ餌も食べられなくて、仕事場にも一緒に行きました。
キミの餌を作り出すと、その気配でぎゃーぎゃー鳴き叫んで…
青菜を摺って射し餌に混ぜてたものを上手に食べられなくて、嘴の周りをいつも緑色に染めてて…
ちょこ…
生後3、4週間くらいで、急に羽ばたいたかと思うと、ヘリコプターのようにそのまま真上に1メートルくらい舞い上がったね。
嬉しかったよ。
キミは自分で自分のしたことにびっくりしてたみたいだったけど…
ちょこ…
生後4週間を過ぎたぐらいだったかな…
キミはいきなり自分の名前を喋ったよね。
最初は空耳かと思いました。
それからというもの、「ちょこぉ〜、ちょこぉ〜」と連発してたね。
パパの注意を惹きたい時も怒ったように「ちょこ!」と言ってました。
それは、パパのじゃなくてキミの名前なのに…
ちょこ…
生後一ヶ月を過ぎて、自分で殻付きの餌を食べられるようになったよね。
キミが殻付きの餌を自分で剥いて食べてくれて、その殻が餌入れの中に残っていることさえにも喜んだものです。
でも、ああ、これでやっと一人前になった!と嬉しい反面、寂しい気もしました。
もう、ぎゃあーぎゃあーご飯をねだってくれないんだな…って…
ちょこ…
うちの家族のオカメインコの中で、キミが一番後輩だったよね。
一人餌になって最初にみんなと同じかごに入れた時、可笑しいくらい隅の方でビクビクしながら大人しくしてたね。
でも、気が付いたらいつの間にか、先輩の「めい」「じゅーん」「おー」をさしおいて、キミが一番偉そうでした。
まるで牢名主みたいに振る舞って…
食べたい時に食べて、居たい所に居て、誰かが邪魔な時はどかしてまで…
しょうがないヤツだなぁ…って思っていました。
ちょこ…
キミの名前を呼ぶと、キミはパパのところに飛んで来てくれたね。
でも、遊びに夢中だと聞こえない振りをして…
そういう時は、部屋から出る振りをすると慌てて飛んで来てくれましたね。
でも、肩に乗って欲しいのに、いつも頭の上で…
嫌だって言うのに、頭の上が好きだったね。
ちょこ…
キミは首や頭を掻いてもらうのが大好きだったね。
眼を細めて、嘴を半開きにして…
意地悪してやめると、キミの方から身体を摺り寄せてきて…
可愛いんだけど、しつこいヤツだと思っていました。
ちょこ…
一緒に眠ったね。
キミは必ずパパの枕の左側にちょこんと座って眠っていましたね。
でも、寝坊のパパを待ちきれずに、外が明るくなるとパパの顔をつついて起こそうとして…
うるさいなぁ…って思っていました。
ちょこ…
キミはかごの外に出ているのが大好きだったね。
飛ぶのもうちの家族の中で、一番上手でした。
狭い部屋の中を戦闘機のように高速で自由自在に飛び回って…
そして、かごの中に帰そうとすると、それをすぐに察して、絶対に手に留まってくれませんでした。
仕方なく、いつも逃げられないように狭いトイレの中に一緒に入ってキミを捕まえて…
ちょこ…
今朝起きた時、いつになく大人しいな… とは思いました。
いつも、ベッドから起きてパソコンに灯を入れると、キミは枕からすぐにパパの頭の上に飛んで来てましたよね。
でも今日、キミは枕の上にそのまま佇んでいました。
呼んでも飛んでこないで、手をさしのべたら乗ってきましたね。
だけど、その時はそんなに具合が悪そうは見えなかった…
そんな辛そうな様子もないし、身体を膨らませもしてなかったし…
リビングに一緒に入った時も、いつもキミがするように窓辺に自分で飛んで行きましたよね。
ただ、妙に素直にかごに帰りましたね。
今日は運悪く、たまたま重要な出張があって、パパはいつもよりずっと早く家を出なくてはなりませんでした。
こんな事になるんだったら家にいてあげれば良かった…
ごめんね… ごめんね…
ちょこ…
キミのママから電話があって、仕事場から駆けつけた時、キミはもう自分では立っていられなくなっていましたね。
パパの顔を見ると、一生懸命、翼で支えようとしてまで立ち上がろうとしてくれましたね。
手を差し伸べた時、キミは歩くことさえ出来ないのに、パパの手の平に乗ろうとしてくれましたね。
スプーンにすくって水をあげようとした時、キミは必死で飲もうとしてくれましたね。
キミの大好きな粟の穂を目の前に置いてあげた時、食べられないのに食べようとしてくれましたね。
生きていたかったんだよね…
一緒にもっと、もっと、遊びたかったんだよね…
パパも…
パパも、もっと、もっと、もっと、もっと、キミと遊びたかったよ…
ちょこ… ちょこ… ちょこ… ちょこ… ちょこ…
最期にキミはゆっくり眠るようにパパの前で全身の力を抜いたね…
頑張ったね… 偉かったよ…
大声で何度も何度もキミの名前を叫んじゃってごめんね…
まだまだ逝って欲しくなかったんだ…
ちょこ…
いつかはパパもキミに会いに行くからね。
絶対にキミのことは忘れないから…
キミは一杯幸せと想い出をくれたね…
辛い時… 苦しい時… 悲しい時…
キミの姿… キミの声… キミの仕草…
キミはいつも励ましてくれたよね。
パパがそういう時に限って、キミはパパの顔を見上げて言うんだよね…
「ちょこぉ〜!」って…
励ましてくれてたんだよね。
でも… でも…
パパはキミに何もしてあげられなかった…
もっと、もっと、遊んであげれば良かった…
キミはパパの家に来て幸せだったの?
パパがキミのパパで良かったの?
こんなに早く逝っちゃって…
一歳の誕生日もまだなのに…
もっと生きたかっただろうに…
もっと、もっと、パパの側にいたかっただろうに…
ごめんね… ごめんね…
パパは大丈夫だよ。
だから、お空からパパとママを見ててね。
そして、待ってて…
すぐには行けないけど…
ごめんね…
でも、いつかきっとキミの側に行くから…
それに、友達も沢山いるからね…
パパの昔の友達のロンっていうコリーや、レオっていうエアデール・テリアやサーブっていうラブラドール・レトリバーもキミの側にいるから…
彼らだったら優しいから、きっと一緒に遊んでくれるよ。
パパと違って、頭に乗ってもきっと文句なんか言わないから…
ちょこ…
さようなら…って言いたくないんだ…
ちょこ…
ありがとう…
またね…
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