小鳥との生活のお勧め


小鳥はライフパートナー!
「ペット」として「飼う」のではなく、「パートナー」として「共に暮らす」…
犬やネコと同様、否、もしかするとそれ以上の資質を小鳥たちは備えています。これは、多くの皆さんの想像を遙かに超えています。
あなたのパートナーとして共に暮らし、共に喜び、共に悲しむ…
殺伐とした日常に、彼らがもたらしてくれる潤いの何と大きくて素晴らしいものか… この潤いは共に暮らしたことのある人しか享受出来ないものです。

私の「鳥道」は一羽のルチノウ・オカメインコの「めい」に始まりました。
6年前の1996年のゴールデン・ウィークに現在の妻(当時は恋人)と一緒に寄った、当時の住まいの近くにあるペットショップで、彼女は生まれて間もない、筆毛だらけの、お世辞にも可愛いとは言い難いルックスで、他の雛たちを掻き分け、踏み付け、私たちに向かって「グエーグエー」と餌をねだっていました。
「これ、なに? かわいくないね…」
その雛たちを見て最初に妻が発した言葉です。
その「めい」も今や彼女にだけベタベタになれて、まさに目に入れても痛くない状態なのですから…(;^_^A

左から…おー、じゅーん、ちょこ、めい話を戻しましょう。
5月に迎えたと言うことで安易にネーミングしたその「めい」ですが、彼女は良く育ってくれました。
雛から育てるなんて、妻はもちろんのこと、私も初めてのことでした。
ペットショップで教わった通りに、粟玉をお湯でふやかし、ビタミン剤のような粉末を加えただけの差し餌を与えていました。今思うと、『こんな差し餌で…』とゾッとしますが…。
この頃は、仕事場に毎日連れて行き、高原教室の下見のための出張にも連れて行きました。
そして元気に成長し、呼ぶと飛んでくるようになりました。首筋や頭を撫でてやると、目を閉じて気持ちよがるようにもなりました。

その頃、私は仕事でとても疲れていました。
小さな学習塾ですが、その経営者として、従業員の講師たちとの確執が表面化し、一触即発の雰囲気の中、針のむしろのような状況下で日々を過ごしていました。
きっと、いつもこわい顔をしていたと思います。きっと、いつも怒っていたと思います。そして、きっと、いつもイライラしていたと思います。

でも、「めい」がうちに来てから、私は自分でも分かるほど変わりました。
仕事を終え、自宅に戻り、彼女をかごの外に出し、触れ合うと、今までになく優しい気持ちになっている自分に気付きました。
そしてそれは、仕事場でも私を変えていきました。
ある女性従業員から、「土屋さん、変わりましたね。本当に柔和になりましたよ。何があったんですか?」と言われました。

その頃恋人同士だった妻との危機も、彼女「めい」が救ってくれました。
彼女と私は20歳というかなりの年の差があり、その頃からしっくり来ない部分をお互い感じていました。事実、別れ話になったことも数回ありました。でも、その話し合いの中で「めい」のことが話題にのぼると、彼女も私も「めい」から離れられない…つまり、私たちは別れることが出来ないことを諭されたのです。
そして、今ではつくづく『別れなくて本当に良かった…』とお互いに(少なくとも私は?)思っています。


まずは一羽の雛から…
ここあ以上、書かせて頂いたことは、何も特別なことではありません。きっと鳥さんと共に暮らしている多くの方々には普通のこととして共鳴して頂ける部分も多いと思います。
まずは一羽の雛から、試行錯誤しながらでも一生懸命育ててみてください。
ケージ(かご)の中にいるだけの手乗りでない鳥ではここまでの喜びを与えてはくれません。
雛の頃から差し餌で育てた子、大型なら野生ではなくブリーダーで生まれ、人間の手によって育てられた、人間を親や仲間だと認識している子でなければなりません。
そんな子たちを育てられ、一緒に暮らされれば、きっと私が言ってることを誇張でも何でもなく、全ての皆さんに実感して頂けることだと確信します。

ひとり暮らしの方など、仕事に疲れ、誰もいない暗い部屋に帰宅されるのは淋しいものです。でも、彼らがいれば、あなたの帰りをじっと待っていてくれます。玄関を開ける物音がすると、盛大に鳴いて迎えてくれます。(^-^)
自家用車があれば、一緒に小旅行も出来ます。事実私は年数回、軽井沢や蓼科の知り合いの別荘などに鳥さん全員を愛車に乗せ、2〜3泊の予定で出掛けます。冬の保温さえ気を遣ってあげれば、何の問題もなく共に自然を楽しむことが出来ます。

でも、小型でも大型でも、「安易」なお気持ちではお迎えにならないで下さいね。
先ずセキセイや文鳥などの小型、オカメやコザクラなどの中型は身体が小さな分、ちょっとした病気でも命取りになります。
ちょっと元気がないかな…と朝感じ、そのまま仕事に出て戻って来たら…という悲しい経験を私はしました。
大きくても小さくても同じ命です。
鳥のことを勉強し、彼らのことを懸命に考えて、大切に大切に育ててあげてください。
その意味からも、これは全ての鳥たちに言えることですが、お迎え時、そしてその後の定期的な健康診断は欠かせません。

また、環境的には大型と共に暮らすには、ある程度以上の覚悟がいります。(;^_^A
まず、当然ですがケージは大きくなります。種類によっては鳴き声が半端ではない騒音になります。
私も経験しましたが、大型インコ特有の不治の病もあります。
さらに、彼らはとても長寿なのです。50年を越える個体も珍しくありません。もしかしたら、あなたより長く生きるかも知れません。それだけの彼らの命を文字通り「一生面倒を見る」覚悟をお持ちになって下さい。
でも、以上の条件をクリアできるのでしたら、彼らこそ、真の意味での「一生の伴侶」になり得るのです。

小さくても大きくても、鳥たちはそれぞれの素晴らしさを持っています。
人によくなつき、人を見分け、愛情を注いで育てれば、それだけの… いえ、それ以上の愛情を私たちに与えてくれます。
きっと、彼らの感情の豊かさに皆さん驚かれることでしょう。

命あるもの…
むう&れな私は現在、8羽の鳥たちと暮らしていますが、不治の病、原因不明の病で2羽の子たちと別れました。
今過ごしている彼ら、そして亡くなった彼らから、言葉では説明出来ないほど多くのものを享受しています。
命の尊さ、儚さ、素晴らしさ、苦しさ…  沢山、沢山、彼らから学びました。

仕事柄、最近の子供たちと接することが多いのですが、この「命」について、理解してない子供が多いことには驚かされます。
死ぬのがイヤだから生き物は…という声もよく聞きます。
でも、生きていることを理解するには「死」を避けては通れないはずです。
死んでしまうからこそ大切な、掛け替えのない「命」なのです。


あなたに、そして大切な人に、子供に、素敵な何かを沢山与えてくれる鳥たち…
皆さんもご一緒にお暮らしになってみませんか?(^-^)

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