永遠のロックギター少年、Tommy Tommyとオールド・レスポール
日本のギター業界への貢献 カスタムメイドギターへのアプローチ
遥かなるギターの旅路
Produced by きのした
オールドギターを変遷して最高峰まで極め、遂には日本人ビルダーのハンドメイド・ギターに辿り着いたトミーの中には「オールドだから良い、国産はだめ」などという先入観はなく、ただ「いい音か、駄目な音か」という直感しかなかったのでしょう。高価で稀少性の高いギターですら、サウンドの好みから外れると、なんの躊躇もなく処分したといいます。
(飽くまでも)生前では最終的に、彼の最愛のギターはレスポールカスタム68年製と、レスポール・モデルの国産カスタムメイド・ギターに落ち着いたというのがその象徴ではないでしょうか。
もしもトミーが所有していたギターを全部秘蔵していたら、それは大変な金額、財産となっていた事でしょう。
しかし、彼はギターを利殖の対象としては微塵も考えなかった、そこにロックンローラーとしての心意気、潔さを感じます。いや、彼はまだ旅の途中だったのです。
残念な事に、「遥かなるギターの旅路」は、突然の事故によって絶たれる事になってしまいましたが、もし今も健在であったら、トミーはどんなギターを使っていたのでしょうか…?
もしかして再びオールドギターに戻っていったのか、或いは更にカスタムメイド・ギターを追求していたのか、もしかしたら、そのKnow-howを生かしてカスタムギターをプロデュースしていたのかも…。
義之さんは「とにかくどんなアンプもギターも、それから最良の音を引き出すのは、びっくりするほど早かった。兄貴のあの耳とセンスにはどうやっても追いつけなかったし、今でもトップクラスの才能だったんだと思うよ。」
と話してくれました。
最後に前出の「スーパー・ロック・ギタリスト」のコメント、その結びの言葉を紹介しましょう。
「指が早く動くとかそういうことにとらわれず、単にいい音を出しているギタリストが好きだ。」
トミー22歳の時の言葉です。これ以上、ギタリストの本質を捉えた言葉が他にあるでしょうか?
そして、その言葉どおりの人生を歩んだギタリストがトミーだったのです。